PSS対処法™の概要

全体概要

攻撃を受けやすい人は自身を護る対処スキルを持つべき

ここからPSS対処法™の概要説明になりますが、まず初めに申し上げておきたいことは「必要な叱責というものはある」ということです。叱責という行為が全て悪いわけではありません。しかし、過去に属してきた会社の人間を観察してきた限り「叱責」を正しく使っている人はほとんどいませんでした。これは私個人の経験に限ったことではないでしょう。実際、どこの職場に間違えた叱責を乱発している人がいても不思議ではありません。

世の中には、自分の期待通りではないとすぐにその不満が怒りの感情に変わり、立場が弱い者に不必要な攻撃をしてくる人間が非常に多いのです。

そこで必要な叱責にかこつけて、八つ当たりに等しい攻撃をするのです。たとえ、あなたがミスをしたり効率が悪かったり仕事が遅かったとしても、それで叱責や批判といった精神にダメージを与える行為が正当化されるわけではありません。

しかし、他人を平気で攻撃できる人間というのは、自分が正しければ相手を攻撃する正当性が成立すると勘違いしています。これはあなたの問題ではなく、明らかに相手の人間性の問題なのです。

もし、あなたが本当にミスをしてしまったのであれば、それに関しては次回以降、繰り返さないように充分に注意すれば良いだけです。(それでも安易に同じミスを繰り返したり、まだ改善できる余地がありながら努力を怠ると、相手に多少なりとも叱責の正当性と合理性を与えてしまうことになりますので、そこは特に留意するようにしてください)

そのような攻撃的なタイプの人間とも関わりを持たずに生きていければ何も問題はありませんが、人生においては学校や会社といった、どうしても複数の他人と関わる集団・組織に属する必要が出てきます。(学校でのイジメ、職場でのパワハラが社会問題になっていることがそれを証明しています。これらの問題は、関わる人間を選べるのであれば起きない問題です)

特にあなたが内向型で社交性に乏しくナイーブなタイプであったら、素のままではダメです。多数の他人と関わらざるを得ない集団に属するのであれば、その場ではそれに適したキャラクターを作り上げる必要があります。私は、素のままでいると被害に遭いやすいタイプの人はこの方法を身に付けることは、もはや必須であると考えています。(暴漢のいる場所へ出入りする必要があるため、あらかじめ護身術を心得ておくようなものです)

これまでの印象を大きく変えるという考えが基本

まず、あなたに対して機嫌が悪そうに扱ったり怒ったり不愉快そうに接するなど、基本的にネガティブな態度で接してくるというのは、これまでの印象の積み重ねによる結果です。これをポジティブな態度に変わるようにこれまでと違う印象を与えていく必要があります。

なお、積み重ねではなくても初対面の時点で「大人しい」「気が小さそう」「分かりにくい」というマイナスの第一印象を持たれやすい人も多くいます。大抵、内向的な人というのは、その容姿や声質、体型などの雰囲気で初っ端から不利な印象のポジションでスタートしなければならない場合は少なくありません。

しかし、態度や動作、姿勢、挙動、感情の表出の仕方などから与える印象はそれを覆すことができます。一定の期間はかかりますが、大きく変えられます。

PSS対処法™の基本 ~変えるべき3つの印象

PSS対処法™は、意識的に実践するポイントが主に3つあります。その概要を以下に述べます。

1.態度を強くする

印象付けるべき項目の第1に挙げるのは「態度の強さ」です。これはPSS対処法™の基本とも言える項目です。子供のイジメなどもそうですが、まず何より弱そうに見えるタイプが被害者になりやすいのです。

基本として、気の弱さ、気の小ささを感じさせる態度、挙動などを表出させてはいけません。全て意識的に抑えてください。そして、できれば自信があるように態度や姿勢、動作などを変えてください。

人間は相手がどれだけ気が強いか弱いか、無意識に感じとっています。気の弱い人間は反撃されたり報復される恐れがないため、怒りや不満の感情を我慢せずにぶつけられる相手だと認識されているのです。自分の行動、挙動、しぐさ、話し方、姿勢など、どれだけ客観的に気がつけるか、そして修正できるかがカギです。

2.業務上の信用を高める

次に、業務上の信用を高める必要があります。不要な攻撃や不当な扱いを受けやすいということは、信用度が低くなっています。その印象を修正させます。

それにはまず、今より業務の正確性・迅速性を改善し、優先順位を間違えないようにする必要があります。業務を行う順序を正確に判断し、できるだけ早く、ミスなく行ってください。

これを聞くと「それができたら苦労しない。今でも怒られないように一所懸命やっている」と思う方も多いと思います。しかし、怒られやすいのは現在のあなたの印象がそうさせているので、怒られないように対処しようとしても無理なのです。怒るネタなどというのは、こじつけでも何でもありなのですから。それに「怒られないようにやっている」というのは、受動的な対処です。積極的に、そして能動的且つ主体的に対処するように考えを変えて取り組まないと事態は改善しません。(これは私自身が痛感したことです)

世の多くの人は、自分では気がついていませんが、まだまだ余力を残して仕事をしている人が多いというのが私の考えです。(正直に言いますと、過去の私もそうでした。そこは反省すべき点でした)一所懸命にやっていると言っても、大抵は時間に追われたり煽られているだけで受動的にやっているだけの場合が多いものです。意識を変えて取り組めば、驚くほど成果が改善する可能性は充分に残されています。おそらくあなたも例外ではないでしょう。

信用を高めるのにはこれだけでは不十分です。もう一つ、積極性を見せる必要があります。取り組む姿勢、つまり「やる気がある」「責任感がある」と感じさせるのです。これは第1の項目の「態度」と同様、印象を変える動作、行動、挙動を意識的に行う必要があります。(上記で述べたように、受動的に動いていてはいくら一所懸命にやっていても「やる気がある」「責任感がある」という印象は持たれません)

この「信用を高める」行動は、この通りにやっても上記で述べた通り、既に叱責のネタはこじつけでも何でもあり状態になっていますので、例え完璧にやったとしてもすぐに攻撃は止みません。これをやる意味は、時間をかけて信用を高めていくことなのです。(それでも攻撃の口実を一つでも減らす、つまりできるだけ攻撃のネタの芽を摘み取るという当面の意味もあります。完全に無くなることはありませんが少しは減ります)

3.好感度を上げる

仕上げに、好感を持たれるようにします。態度の弱さを抑え、強さを印象付けることができれば攻撃はされにくくなりますが、そのままでは「ふてぶてしい」「感じが悪い」という印象を持たれる可能性もあり、悪影響を及ぼしてしまうことも考えられます。それに、感情的な好感を持たせられれば、攻撃対象から外れる確率が高くなります。

そこで、感じのいい「気さくさ」「フランクさ」を発揮するようにします。注意すべきポイントは「愛想の良さ」は出さないようにすることです。「気さくさ」「フランクさ」と「愛想の良さ」は同じではないか?と思われるかもしれませんが、違います。愛想を良くするというのは弱さを印象付けてしまう態度なのです。飽くまで態度の強さを維持したまま、気さくな親しみやすさをキャラクターに加えるのがコツです。

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